別に書くほどのことじゃないという気もするんですが、最近どうも頭から離れなくて精神衛生上ひじょーによろしくないんじゃなかろうかと思えてならないので書くことにします。


もう結構前の話になるんですが、YouTubeでひとつの動画を見ました。
動画をアップしてる方はプロの方で、それまでの動画は納得できる話も多かったですし「良いこと言うねぇ」なんて思ってたんですが、その動画というのは「プロになるなら〇〇製の△△というカメラを買え 買えばプロになれる」的な話でした。

ドン引きしました

この人は恐らくはかなりの努力を積み重ねて今のプロという地位に着いたはずなのに、その努力を百万円ぽっちの価値しかないって言ってるようなもんよねぇ…みたいな感じがして。
プロとしてやっていくって、機材を揃えるだけで解決できるような、そんな薄っぺらいことではないと思うのよね。そんなんだったら写真学校へ行った人、みんなプロになれてます。

ちなみに、わたしが行ってたころの写真学校は、1年生120人のうち2年生に進級するのは約70人、3年生になって卒業できるのは約50人、そのうち写真を撮って食っていけるのは1人か2人って言われてました。そういうセカイですよ?


もちろん、プロとしてやっていくならある程度良い機材を使う必要ってのはあると思いますよ?
操作性、信頼性など、いわゆるプロ用のハイエンド機しか持っていないものが必要になることもあるでしょうし、ハイエンド機を持ってないと仕事こないと思いますし。

そういう意味では「プロになるなら〇〇製の△△というカメラを買え」の部分は、まだわかるんですが…「買えばプロになれる」ってのは、ワタシ的にはないわー。
スポンサー契約とか色々と大人の事情があるんだろうなぁってのは察するに余りあるところがありますが、やっぱりないわー。

結果、わたしはこのプロの方の動画はそれ以来全く観なくなりました。


別のプロの方で「写真上達の近道はフラッグシップ機を使うことだ」という旨の動画を上げてる方もいらっしゃいます。
フラッグシップ機はクオリティが高いことや、いわゆる入門機にはない機能があるので表現の幅が広いなどのことが主旨だったと記憶してます。
「技術をカネで買うのか」と噛みつこともできなくはないですが、機能があるのとないのとじゃ道具としての使い勝手が全く違ってくるわけで、素直に得心できる内容でした。


「写真は機材こそ命!高い機材を使わないとダメ!」なんて言われたりすることもあります。「カメラ沼」とか「レンズ沼」とかもそうかな。「カメラは○○じゃないとダメだろ」とか「レンズは大三元以外ありえない」とか。そういうのを聞くたびに不安になって機材を買い替えていく、みたいな。
そういうの、なんか違う気がするんですよね。
自分が撮りたい写真を撮るための必要条件っていうのを満たしてることが大事だとは思うけど、特定のものを普遍的な条件にしてしまうのは違うだろーみたいな。


よく「良いバットを使えばホームランが打てるのか」なんて言われ方をします。
「良いバット」というのを「自分にピッタリくる使い勝手のいい道具」だとすると、打率は上がりそうな気がします。ひょっとしたらホームランの本数も伸びるかもしれません。
でも、毎打席でホームランが打てるわけではないよね。
sport_baseball_set


誰かに何かを伝えていくってムズカシイものだーと、つくづく思います。

 
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